鎮魂の日を迎えました。
先人の「おもい」も犠牲も胸に刻み続けなればなりません。
さて、先日読み終わり、このブログでもどこかで書こうかと
考えていたところ、本日のNHKで特集されていたので
「春の庭」について書きたいとおもいます。
NHKでは作者の柴崎友香さんのインタビューが
世田谷の代田・代沢付近の緑道で行われていましたが、
私がこの本を取り上げる一番の理由は舞台が世田谷だということです。
しかも代田・代沢・北沢。
この地域は文学者たちが多く住んでいたことで有名な地域です。
北沢川文化遺産保存の会の方々が
ゆかりの深い文学者達に関連する場所を記した地図も作られています。
手元にある地図を眺めてみると
斎藤茂吉、中村汀女、森茉莉、三好達治、萩原朔太郎、横光利一、
坂口安吾、安岡章太郎、などなど。
ちなみに画家や作曲家も多く、
東郷青児などの旧居もありました。
そんな地域を舞台にした小説が今回の芥川賞の受賞作、
春の庭です。
是非お読みいただいて、実際にこの地域を散策していただきたいと思います。
文化に香りに触れることのできる地域です。
これから読まれる方もいらっしゃると思うので
本の内容は割愛しますが、
一人称から
中盤の一人称と三人称の混在、
そして最終盤での一人称から別の一人称へと転換と
徐々にそして最終的には文章を俯瞰して読んでいるような感覚に持っていかれる
小説でした。