大きく報道されたので野沢で起こった事件は
皆さんもご存知のことと思いますが、
同じ午前中に祖師谷大蔵駅南口(砧6丁目)
の漫画喫茶で強盗事件が起こり犯人は未だ逃走中
だという情報が区の防犯情報としてメールでまわってきました。
報道の量は野沢の事件が圧倒的に多かったでしょう。
しかし、事件に広がりはなく、その希少性だけが
報道を加速させたことは間違いないことだと思います。
かたや祖師谷大蔵の強盗は犯人が逮捕されておらず、
危険性ははるかにこちらのほうが高いと感じます。
何が興味を引く情報なのか、
と、
何が大事な情報なのか、
は同じではないということが如実に表れている
世田谷区内での2件の事件です。
自分は時間があるときに
図書館などで
昭和の事件や事故の資料を調べていくことを
よく行うのですが、
今日の事件から
1954年の青函連絡船洞爺丸事故の記録と
岩内大火、さらにはそれを題材にした
飢餓海峡という映画(見たことははありませんが)
の話を思い出します。
1155人の犠牲者という
日本の歴史上最も大きな海難事故である
洞爺丸事故はその犠牲者の中に複数の国会議員や
有名人が含まれていたこともあり、
大きく報道され、
その影で事故原因となった台風や、
ほぼ同時刻に起こり、まちの8割が焼失した
北海道岩内町でおこった大火事(いわゆる岩内大火)
に関してはほとんど報道されなかったそうです。
(飢餓海峡は上記がきっかけになって作られたフィクション映画。三國連太郎や高倉健、出演)
情報とは、どのような情報があって、それをどう考えるべきなのでしょうか。
マスコミが行っている報道は大変に興味をひきつけるものですが、
その情報に対して、どれだけの意味があるのか、
考え、主張し、選択することで、この偏った情報社会が
変化していくことにつながると思います。
世田谷区の防災メールに野沢の事件ではなく祖師谷の事件に
注意して下さいと送信したことは行政が何に比重を置いているかを明確に表しています。
公共性のある情報をいかにして広げていくか、
大きなマスコミをどのようにして、
視聴率至上主義から脱却させるか、
自分達が情報を発信できる時代がきている今、
答えはすぐそこにあります。