先日、日本学術会議は
「世界史必修を見直すべき」
という提言案をまとめた。
今後、文部科学省に提案されることになる。
???
何?と思った人もおられるでしょう。
いつからか、多くの進学校で世界史が履修されないことが問題となってきた。
世界史は必修なのにである。
ここまで書くと、そういえば聞いたことあるな
と思ったかたもいらっしゃるのではないだろうか。
何が問題か。
進学校では高校の一番の目標は良い大学に多くの学生を入れること。
そうすると暗記中心の世界史の授業を別の科目に入れ替えて、
例えば、大学によっては社会の2倍の点数になる英語などに
授業を入れ替えるわけである。
ま、多くの生徒を獲得したいということからそういった
教育指導要領を無視したやり方、
ばれなければいいという各学校のやり方、
状況はわからないではない。
しかし、まったく共感できない。
ちなみに日本学術会議はこういった問題に
歴史教育の抜本的な改革が必要と考え、
新たに「歴史基礎」という教科をつくり、日本史を世界史のなかに位置づけ、
調べ学習や発表、討論などを増やす。
(現学習要領は地歴科は世界史A・Bから一科目、日本史A・B、地理A・Bから一科目学ぶことになっている)
選択するということ自体を変えていこうという案である。
今回このブログでこのことを取り上げているのはこういったことを
多くの人が関心をもって議論してほしいというおもいからである。
自分は世田谷学園に通っていたとき、
その後の人生に大きな影響を受けた先生に多く出会ったのだが、
世界史の先生の授業は忘れることができない。
世界史は暗記科目ではない。
先達の歴史を学んでこそ自らの人生を歩んでいけるんだということを
教えていただいた。
英語も数学も大変に重要である。
だが、人生において最も重要なのは、様々な局面で決断を下すことであると私は思う。
どんなことでも決断をくださねば何もできない。
人類の今まで歩んできた道を知ることが、
様々な決断を下すことの指針になることはいうまでもない。
大学全入時代に突入した現在の日本。
50年先の世田谷、100年先の日本を考える時、
歴史に学ぶことは大きい。
今の日本の教育のあり方、受験のあり方、
皆に考えてほしい。